職人の業種別【日当・年収】相場まとめ【2026年版】
大工・電気工事士・配管工・左官・とび職など、建設業の職種別の日当・年収相場を一覧で紹介。経験年数や地域による違い、一人親方として独立した場合の収入イメージ、収入を上げるためのポイントまで詳しく解説します。
「自分の日当・年収は適正なのか」を知る
一人親方として働いていると、自分の日当や年収が他の職種・他の地域と比べてどうなのか、気になることがあるのではないでしょうか。「今の単価で続けて大丈夫なのか」「独立したらどのくらい収入が変わるのか」といった疑問を持つ方も多いはずです。
この記事では、建設業の主な職種ごとに日当・年収の相場をまとめました。経験年数や地域による違い、独立後の収入イメージ、そして収入を上げるための具体的なポイントまで解説します。これから独立を考えている方も、すでに一人親方として活動していて単価交渉の参考にしたい方も、ぜひ参考にしてください。
※ここで紹介する数値は、公共工事の労務費調査や業界平均をもとにした目安です。地域・経験・元請けとの関係性・景気動向によって実際の金額は変動します。あくまで「相場感をつかむための参考値」としてご覧ください。
年収・日当を決める4つの要素
同じ職種でも、日当には1万円以上の差が出ることがあります。何が金額を左右しているのか、主な要素を整理します。
1. 経験・技術レベル
見習い〜3年目程度と、10年以上のベテランでは日当が2倍近く変わることもあります。技術の証明として職長経験や資格(技能士、施工管理技士など)も単価に影響します。特に「段取りができる」「図面が読める」「他の職人に指示が出せる」といった現場をまとめる力は、単価に直結する重要なポイントです。
2. 地域差
首都圏・関西圏など人手不足が深刻なエリアでは日当が高くなる傾向があります。地方では相場が2,000〜3,000円程度低くなることもあります。一方で、地方は生活コストが低いため、日当の差がそのまま生活水準の差になるとは限りません。
3. 雇われ vs 一人親方(独立)
雇われ職人は日当から会社の取り分(マージン)が差し引かれます。一人親方として直接元請けと契約できれば、同じ仕事でも日当が1.2〜1.5倍程度になることが多いです。一方で、独立すると道具・車両・保険などの費用も自己負担になる点は注意が必要です。
4. 季節・繁忙期と閑散期の差
建設業は年間を通して仕事量が一定ではありません。年度末(1〜3月)は工事が集中しやすく、夏場や年末年始は仕事が減る職種もあります。年収を考える際は「忙しい時期にどれだけ稼げるか」だけでなく、「閑散期にどう仕事を確保するか」も重要な視点になります。
経験年数別の年収イメージ
同じ職種でも、経験年数によって日当・年収は大きく変わります。一般的なキャリアの流れを目安としてまとめました。
| 経験年数 | 日当目安 | 年収目安 | 立場・働き方 |
|---|---|---|---|
| 1〜3年目(見習い) | 10,000〜14,000円 | 250万〜350万円 | 雇われ・補助作業が中心 |
| 4〜9年目(職人) | 14,000〜20,000円 | 350万〜480万円 | 雇われ・一人で現場を担当できる |
| 10年以上(ベテラン・職長) | 18,000〜26,000円 | 450万〜650万円 | 職長として現場管理も担当 |
| 独立(一人親方) | 18,000〜30,000円 | 450万〜800万円以上 | 元請けと直接契約、案件量に応じて大きく変動 |
独立後の年収には大きな幅があります。これは「元請けからの仕事が安定して入っているか」「複数の元請けと取引できているか」によって、稼働日数そのものが変わるためです。単価が上がっても、稼働日数が減れば年収は伸びません。逆に、単価が相場より少し低くても稼働日数を確保できれば、安定した年収につながります。
業種別 日当・年収相場一覧
| 職種 | 日当相場 | 年収相場(目安) | 需要動向 |
|---|---|---|---|
| 大工 | 15,000〜25,000円 | 400万〜700万円 | 安定(リフォーム需要が増加) |
| とび職(足場) | 16,000〜26,000円 | 450万〜750万円 | 増加(人手不足が顕著) |
| 鉄筋工 | 16,000〜25,000円 | 450万〜700万円 | 増加(高齢化により担い手不足) |
| 左官 | 16,000〜24,000円 | 400万〜650万円 | 増加(職人不足が深刻) |
| 電気工事士 | 15,000〜23,000円 | 400万〜650万円 | 安定(資格保有者は需要高) |
| 防水工 | 16,000〜23,000円 | 400万〜600万円 | 安定(改修需要が継続) |
| 配管工・設備工 | 15,000〜22,000円 | 400万〜600万円 | 安定(新築・改修の両方で需要) |
| タイル・ブロック工 | 15,000〜22,000円 | 400万〜600万円 | 安定 |
| 塗装工 | 14,000〜22,000円 | 350万〜600万円 | 安定(外壁改修需要が継続) |
| 内装・クロス職人 | 14,000〜20,000円 | 350万〜550万円 | 安定 |
| 解体工 | 14,000〜20,000円 | 350万〜550万円 | 安定(重機資格で単価上昇) |
| 造園・エクステリア | 13,000〜20,000円 | 350万〜550万円 | 季節変動あり |
※年収は「日当 × 年間稼働日数(約220〜250日)」をベースに、繁忙期の残業や元請けからの直接受注分を加味した目安です。実際は経験・地域・受注状況によって大きく変わります。
地域による日当相場の違い
同じ職種・同じ経験年数でも、働く地域によって日当には差が出ます。おおまかな傾向は以下の通りです。
| 地域 | 日当の傾向 | 補足 |
|---|---|---|
| 東京・神奈川・大阪などの都市部 | 全国平均より2,000〜5,000円高い | 人手不足が深刻で単価が上昇傾向。物価・生活費も高め |
| 地方の中核都市 | 全国平均並み | 元請けとの関係性・案件の継続性で差が出やすい |
| 郡部・過疎地域 | 全国平均より2,000〜3,000円低い | 案件数が少なく、稼働日数の確保が課題になりやすい |
都市部の方が日当は高い一方、移動時間や現場までの距離、生活コストも考慮する必要があります。地方であっても、複数の元請けと安定した関係を築けていれば、都市部に出るよりも結果的に手元に残るお金が多くなるケースもあります。
職種別の特徴と単価のポイント
大工
新築・リフォームどちらも需要があり、職種の中でも単価が高めです。プレカット技術の普及で「組み立て」中心の仕事も増えており、スピードと精度が単価に直結します。木造住宅の新築だけでなく、リフォーム・リノベーション市場の拡大により、今後も安定した需要が見込まれます。建築大工技能士などの資格があると、元請けからの信頼度も上がります。
とび職(足場)
足場の設置・解体は危険を伴うため日当が高め。経験を積んで「職長」として現場を仕切れるようになると、単価がさらに上がります。足場の組み方や法令が年々厳しくなっており、フルハーネス特別教育などの資格を持っていることが必須条件になる現場も増えています。資格を更新し続けることが、仕事を切らさないポイントです。
鉄筋工
体力的な負担が大きい分、相場は高め。図面通りに鉄筋を組む技術力が求められ、ベテランほど重宝されます。マンションや商業施設などの大規模工事では、複数班での作業になることも多く、班をまとめられる職人は単価交渉でも優位になります。
左官
職人不足が深刻な職種のひとつ。経験者であれば単価交渉がしやすく、独立志向の職人も多い分野です。コテ仕上げや特殊な意匠仕上げなど、機械化が難しい技術を持っている職人ほど単価が高くなる傾向があります。
電気工事士
電気工事士の資格が必須なため、無資格の作業員より単価が高くなります。第二種・第一種の資格、施工管理の経験が単価アップにつながります。住宅だけでなく、太陽光発電やEV充電設備など新しい分野の工事需要も増えており、対応できる職人は重宝されます。
防水工・塗装工
外壁・屋根の改修需要が安定しており、シーズンによる差はあるものの年間を通して仕事があるのが特徴です。防水工事は雨天時に作業ができないため、天候によって稼働日数が左右されやすい点も考慮が必要です。
配管工・設備工
新築・リフォームの両方で需要が安定。給排水・空調設備など専門分野によって単価が変わります。設備の更新需要は今後も続くと見込まれており、長期的に安定した仕事を確保しやすい職種です。
内装・クロス職人・タイル職人
新築・リフォームの仕上げ工程を担当。仕事の精度がそのまま見た目に表れるため、技術力が評価されやすい職種です。仕上げ工事は工期の終盤に集中するため、複数の現場をうまく組み合わせてスケジュールを組む段取り力が収入に直結します。
解体工
新築・改修の前工程として常に需要があります。重機オペレーターの資格を持っていると単価が上がります。空き家の解体需要が増えている地域もあり、地域によっては今後さらに需要が伸びる可能性があります。
造園・エクステリア
季節による仕事量の変動が大きい職種。庭工事だけでなく、外構・メンテナンス契約を組み合わせることで年間の収入を安定させやすくなります。個人住宅の庭木の手入れなど、定期的なメンテナンス契約を持てると閑散期の収入の柱になります。
一人親方として収入を上げるためにできること
1. 元請けを複数持つ
1社専属だと、その元請けの仕事量に収入が左右されます。2〜3社と取引することで、繁忙期・閑散期の差を埋められます。1社が忙しくない時期でも、別の元請けから仕事をもらえる体制を作っておくことが、年間の稼働日数を安定させる近道です。
2. 単価交渉の根拠を持つ
「他社はいくら払っているか」を把握しておくと、単価交渉がしやすくなります。この記事の相場表も参考にしてください。資格取得や職長経験など、単価アップにつながる実績は記録しておき、交渉の際に具体的に示せるようにしておきましょう。
3. 資格・技術を増やして対応範囲を広げる
専門分野が増えるほど、受けられる仕事の幅が広がります。例えば塗装工が防水工事もできるようになれば、1つの現場でより多くの工程を任されるようになり、単価交渉でも有利になります。
4. 事務作業を効率化して稼働日数を増やす
見積書・請求書作成、経費の記録などの事務作業に時間を取られると、現場に出られる日数が減ってしまいます。スマホで数分で完了できる仕組みを作ることが、結果的に年収アップにつながります。
5. 経費を正しく計上して「手取り」を増やす
年収(売上)が同じでも、経費の計上漏れがあれば税金で損をします。確定申告まで見据えた記録の習慣が、実質的な収入を左右します。経費にできるものについては「一人親方が経費にできるもの・できないもの【完全リスト】」も参考にしてください。
年収は「売上」、手取りは「売上 − 経費 − 税金」
ここで紹介した年収の相場は、あくまで「売上(収入)」のイメージです。一人親方の場合、そこから材料費・車両費・道具代などの経費、さらに所得税・住民税・国民健康保険・国民年金などを差し引いた金額が、実際に手元に残る「手取り」になります。
同じ年収500万円でも、経費の管理が甘く確定申告で損をしている職人と、経費をきちんと計上して税負担を抑えている職人とでは、手取りに数十万円の差が出ることもあります。日当・年収の相場を追いかけるだけでなく、「いくら手元に残るか」まで意識することが、独立後の生活を安定させる鍵になります。確定申告の進め方については「一人親方の確定申告、何から始めればいい?【2025年版】」でも詳しく解説しています。
よくある質問
Q. 一人親方になると本当に収入は増えますか?
単価(日当)は上がる傾向にありますが、案件確保・事務作業・保険加入などを自分で行う必要があります。仕事量を安定して確保できれば収入は増えやすいですが、仕事が途切れると収入が大きく下がるリスクもあります。
Q. 資格を取ると単価はどのくらい上がりますか?
職種や地域によりますが、資格の有無で日当が1,000〜3,000円程度変わることが多いです。特に施工管理技士などの資格は、職長として現場をまとめる立場になることで、単価以上に仕事の幅が広がる効果があります。
Q. 日当が低い職種でも、年収を増やすことはできますか?
可能です。日当そのものは職種によって相場がありますが、稼働日数を増やす・複数の専門分野に対応する・元請けを複数持つといった工夫で、年収全体を上げることはできます。
まとめ
職人の日当・年収は、職種・経験・地域・雇用形態によって大きく変わります。相場を知ることは、単価交渉や独立を考えるうえでの第一歩です。そして、年収(売上)をそのまま「収入」と考えるのではなく、経費・税金を引いた「手取り」で考える視点が、独立後の生活を安定させるために欠かせません。
親方Xなら、見積書・請求書の作成からLINEでの経費記録、確定申告の準備まで一人親方の事務作業をまるごとサポート。事務時間を減らして、現場に集中できる時間を増やしましょう。
